
村上製作所は"高精度な特殊ネジ"の安定供給が可能
村上製作所は、職人不足を克服するための革新的な切削方法を研究してきました。
市販品の工具を使いNC制御による切削を行うため、熟練工でなくとも安定した精度で特殊ネジの製作が可能となります。
隣接ピッチ誤差 | 0.03mm以内 |
---|---|
単一ピッチ誤差 | 0.04mm以内 |
累積ピッチ誤差 | 0.07mm/10ピッチ以内 |
おネジ・めネジの当たり調整 | 70%以上 |
これまで熟練工が汎用旋盤を用いることでしか実現できなかった高精度な大型特殊ネジ加工が、職人歴の浅いものでもできるようになり、高精度な大型特殊ネジ加工品を安定して供給することができます。しかもNC制御による自動運転加工で、安全に行うことができるようになりました。
従来使用していた「総形バイト」は、勘を使って職人が研いで作っておりました。この場合、形状が安定しないという問題がありましたが、この新たな切削方法では市販品を少し改造するだけで使用でき加工形状も安定します。
おネジめネジ共に同じ形状で加工できるため、従来品よりも耐久性が上がると想定されます。
左記の図は、おネジとめネジと合わせた図です。
これまで、大型特殊ネジは「総形バイト」で加工していたので、おネジとめネジが重なる面が少し角度や形状が違いピッタリ合ってはいませんでした。点あたりになる事で、力が局部にかかって、そこから摩耗が始まっていましたが、新しい切削方法で加工する特殊ネジは、おネジめネジ共に同じ角度・形状で加工できるため、合わせ面がピッタリと合います。そうすると力がかかるところが「点」ではなく「面」で受ける事となり摩耗が抑制できると想定しています。
そもそもなぜ大型特殊ネジの製造が機械化されていなかったのかにも小型ネジと比較しながら触れておきます。周知の通り小径ネジの製造には様々な良い刃物が開発されており、多様なネジが簡単にNC旋盤で製作できます。しかし、大型ネジの製造用には小型のものと比べて極端に刃物が少ない。それは、大型ネジを製作するためには当然に大きな刃物が必要で、そのような刃物は技術的に製作可能であっても、実際にそれが使えないという問題が起こるからです。完璧な刃物を作っても、それで加工するととても大きな切削抵抗がかかり、物理的に削れません。そこが大型特殊ネジを製作する事が難しい最大の難点となってます。村上製作所では新たな工法を用いて、この難所を克服することで他社と差別化し競争力強化を行っています。